表紙イラスト:Mugi
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舞台は十九世紀のロンドン、蒸気機関が支配する世界。
十七歳の少女サーシャが血のつながらない兄・フレゼリクとの禁じられた逢瀬を交わしていた時、義理の父親であるリンド博士と見知らぬ女が密会する場面を目撃する。
危険な相談を盗み聞きされていたことを察した女は二人を襲撃し、サーシャを見逃すのと引き換えにフレゼリクを死に追いやってしまう。
間際にフレゼリクはサーシャに奇妙な形の指輪を渡す──「これを長崎にいる織田という人物に届けてほしい」という言葉を残して。
フレゼリクの最後の願いを叶えるため、サーシャは街で知り合った蒸気青年(売春業を営む若い男性の蔑称)エディとともに幕末の日本を目指す。
◇発売日:2019年6月13日
◇小説(電子書籍)
◆ジャンル:SF・ファンタジー/スチームパンク
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◆サーシャ
十七歳の少女。なぜか成長が止まってしまい、見た目は十歳の子ども。
容貌は可愛らしいけど中身は陰気で内向的。
明日の天気が分かるというあまり役に立たない特技を持つ。
スチームパンク仕様のくまのぬいぐるみ「クラリス」といつも一緒。
◆エディ
サーシャと行動を共にする二十歳の青年。
売春業を糧とする一方で、事件屋(と言いつつ実際はよろず屋&便利屋)と称し
ロンドン・ミルクストリートの「スペンサーズ・プレシジョン」跡地を勝手に事務所にしている。
本人曰く「夜は蒸気青年、昼は事件屋」。
自由奔放で女好き。ヘビースモーカー。
◆フレゼリク
サーシャの義理の父の連れ子。
スマートな好青年、博学で優しい。
血のつながらない兄でありながらサーシャが淡い恋心を抱く相手。
◆ミセス・ナディア
サーシャの母。娼婦をしながら女手一つでサーシャを育てていたところ、リンド博士に
見初められて結婚する。
厳格な女性でサーシャに辛くあたる。なぜかフレゼリクとの接触を必要以上に禁じる。
◆クリスティアン
エディの事務所に駆けこんできた自称発明家の中年紳士。
無茶な仕事の依頼(昼の方)を持ちかけてきてエディとサーシャと困らせる。
クラリスは彼からのお礼の品兼未払いの報酬担保。
◆メテ
リンド博士と密会していた謎の女。博士とは親密な関係のよう。
男まさりに武器を駆使する。
◆オリバー巡査
今年ロンドン警視庁に採用された新人巡査。
少しでも逮捕件数を稼いで昇進しようと街に出ては事件を探しているらしい。
ちょいちょいサーシャとエディの邪魔をする。
*スチームパンク小説
ジャンルとしてはスチームパンクです。
蒸気機関が発達したレトロフューチャーな世界が舞台となっています。
スチームパンクはSFに分類されますが、全体を通してファンタジーに近い雰囲気だと思います。
*ヴィクトリア朝全盛期
英国では一八三七年から一九〇一年の間、ヴィクトリア女王による統治が行われていました。
産業革命による経済の発展、インド併合など大英帝国の絶頂期にあり、首都ロンドンは世界の中心でした。
本作はこうした情勢にあった一八六二年のロンドンを舞台に、
前述のスチームパンク要素を取り入れた物語です。
なお、この頃日本は江戸時代です。同年に生麦事件勃発……。まだまだ夜明け前のようです。
*他世界とのつながり
言うまでもなく蒸気機関が発達した世界=架空の世界ですのである種のパラレルワールドを書いた物語
ということになりますが、どこかで史実とつながっていくところがあるかもしれません。
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