テルミネ・ターミナ調理室 ―なかなか、美味しそうじゃない。
#2 梓紗のスコーン
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「フィリアスなしで彼の元に直行するには、方法は一つしかない」と名和が言った。
「一つしかない」と梓紗は繰り返した。
「卵が。うーん、一つじゃケーキは厳しいかな。何作ろう」
先ほど戻ってきた名和宅の台所の冷蔵庫を覗きながら独り言をつぶやいた。
「そうそう、梓紗ちゃん+オーブンの加熱で、タイムトラベルセット簡易版の出来上がりってわけや……って、別にお菓子まで作る必要はない気もするけど」
「今ならおまけで焼き立てスコーンもついてくる。お得なセットじゃない」
梓紗は笑った。
(『テルミネ・ターミナ』p149-150)
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スコーンは台所に常備している材料で手早く簡単に焼けるお菓子です。
物語の中で梓紗が焼いた時のレシピ?をご参考までにご紹介します。
焼きの温度と時間が本文と違っていますが、実は以下の方が正しいです(しまった、間違えた……)。
梓紗のスコーン レシピ
★材料★
・薄力粉:250g
・グラニュー糖:大さじ1
・塩:ひとつまみ
・ベーキングパウダー:小さじ4
・無塩バター:50g
・牛乳:90cc(大さじ6)
・卵(Mサイズ):1個
190℃15~20分
★手順★
①薄力粉と砂糖、塩ひとつまみ、ベーキングパウダーを入れたボウルに小角に切ったバターを入れ、ナイフを使って手早く粉とバターを混ぜ合わせる。
②「礼二は必ず帰ってくる。私は待っている」と言いながら(言わなくていい)、ボウルに卵とよく冷えた牛乳を注ぎ入れ、軽くこねて一つにまとめる。
③めん棒で生地を2cmほどの厚さに伸ばす。
④包丁で押し切るようにザクザクと八つの正方形に切り分ける。
オーブン用天板に切り分けた生地を並べる。
⑤190℃に予熱しておいたオーブンに④を投入。焼き時間は15~20分(焼け具合により加減して下さい)
⑥焼き上がるのを待つ間にミルクティーを準備する。スコーンによく合います。
⑦このあたりで適宜名和さんに話しかける(もし近くにいれば)
⑧1分前になったらオーブンの前でスタンバイする(タイムトラベルする予定がない場合は不要)。
⑨焼き上がり(そして出発)。
―どんなに遠く離れていても、私はあなたの元へ行く。いつか必ず。
(2012/12/01)
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