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テルミネ・ターミナ調理室 ―なかなか、美味しそうじゃない。

#3 時空を超えたアップルパイ



お菓子作りも梓紗にとっては数少ない楽しみの一つ。焼き菓子なら生地を作って予熱したオーブンに入れ、その中で生地が膨らんでいく様子を見守る時がわくわくして楽しい。ベーキングパウダーを入れ忘れたり(一度経験あり……悲惨なことになる)、オーブンに不具合があったりしなければ、所定の材料と手順を守り、決められた焼成温度と焼き時間さえ守って焼くと、写真通りとまではいかないけど、それなりの見た目と味に出来上がってくれる。熱い紅茶を飲みながら作ったお菓子を試食する時間もすごく好き。

(『テルミネ・ターミナ』p19)

退屈な世界からの脱却
お菓子作りの好きな梓紗が最初に焼くのがこのアップルパイです。
物語の発端ともなるお菓子です。
なぜアップルパイを登場させたのかというと……特に深い理由はありません^^; 個人的にりんごが好きだし、なんとなく。
本文にも書いてあるとおり、手間はかかりますがなかなか楽しく、作業しているとあっという間に時間が過ぎていきます。退屈な日常を嘆いている方は、一度梓紗になった気分でトライしてみてはいかがでしょう?

レシピはネット上でも数多く出回っています。ご参考までに。
http://erecipe.woman.excite.co.jp/detail/060418fc44b7debf781affe7aedbf7b3.html
http://www.kyounoryouri.jp/recipe/3633_%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%91%E3%82%A4.html
http://allabout.co.jp/gm/gc/22445/

ただ、作る前にオーブンに不具合がないことを確認した方がいいかもしれません。
(焼き上がる直前にいろいろぶっ飛んでも責任は負いかねます)

アップルパイの作り方。(本文より)

1.りんごの皮をむき、熱した鍋に入れてグラニュー糖を加えてコンポートを作る。


2.1を冷ましている間に小麦粉(薄力粉)、水、バター、砂糖、塩を混ぜ合わせてパイ生地を作る。
  

3.ひとまとめにした生地を冷蔵庫で一旦冷やし、めん棒で薄く伸ばして三つ折りにする。再度めん棒で伸ばし、三つ折りにする作業を二回繰り返す。
   
だんだんと生地が伸ばしにくくなってくるけれど、頑張って体重をかけて伸ばす!
こうして折り重ねることでパイらしい層になった生地ができるというわけ。

4.折り重ねて作ったパイ生地をさらに冷蔵庫で三時間以上寝かす。


ここで一旦休憩。
※パイ生地は冷凍しておき、後日使うこともできます。
梓紗のように(この後タイムトラベルの予定がある等、)当日中に焼き上げてしまいたい場合は三時間後に再開。

5.生地を半分に分け、一方をパイ皿に敷きつめて昼間作っておいたりんごのコンポートを隙間なく並べる。
 

6.もう一方の生地は細く伸ばし、コンポートの上に網目のように交互に乗せる。

7.ふちをしっかりととじて仕上げに艶出しの卵黄を塗る。


8.200℃に予熱したオーブンに入れてまずは二十分焼く。次に190℃に下げて四十分焼けばできあがり。

※梓紗ならもっと美味しそうに焼き上げられるはず……

これが焼き上がったら今夜はすぐに寝よう。そして、明日の朝起きたら切り分けて、紅茶を淹れて味見して、それから……。

(2013/02/16)


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